― 窓の種類・高さ・防犯性・部屋別の選び方を解説 ―
平屋の間取りで見落とされやすいのが「窓の防犯性と気密性」。
採光や換気はもちろん重要ですが、平屋は窓が低く狙われやすいため、窓の種類・設置高さ・サイズの選び方が家の安全性を大きく左右します。
この記事では、窓の基本種類、防犯性、そして部屋ごとの最適な窓を解説します。
高気密高断熱住宅(高性能住宅)を前提にまとめています。
1. 窓の種類と「防犯性」「気密性」比較
直近で採用されることが多い窓5種類は以下になります。
◇FIX窓(開閉不可)

◇横すべり出し窓

◇縦すべり出し窓

◇上げ下げ窓

◇引き違い窓

■窓の種類別「防犯性・気密性」比較表
| 窓の種類 | 防犯性 | 気密性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| FIX窓(はめ殺し窓) | ★★★★★ | ★★★★★ | 開閉できないため、防犯・気密どちらも最強。 |
| 横すべり出し窓 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 小さい開口でも採風ができ、防犯性も高め。平屋に相性が良い。 |
| 縦すべり出し窓 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | 採光・換気は良いが外側に大きく開くため防犯は普通。 |
| 上げ下げ窓 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | デザイン性は良いが防犯性ではやや不利。 |
| 引き違い窓(掃出し窓含む) | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 比較的気密性が低いが大開口には採用されやすい。その分侵入のリスクも高い。 |
👉 一般的な掃出し窓(引き違い窓)は気密性が低いので注意。
高気密住宅で性能を落とす最大要因になるため、採用場所を限定するなど考慮は必要です。
2. 防犯性を左右する「窓サイズ」と「高さ」
防犯性を大きく左右するのは以下の2つです。
① 地面から2,000mm(2m)以上の設置高さ
基礎も含めて2m以上あれば、窓の下端が届きにくく、狙われにくい。
② 窓サイズ300mm以下
平屋の防犯を強く意識するなら “窓サイズ300mm” を目安にするとより安全 です。
ここでいう「窓サイズ300mm」には サッシ枠の幅も含まれます。
つまり中のガラス部分はさらに小さいということです。
3. 「窓サイズ300mm」はなぜ強力な防犯となるのか?
筆者宅の実例でわかりやすく整理します。
■窓サイズとガラス寸法の関係(筆者宅の場合)
- 窓サイズ 330mm → ガラス寸法 225mm
- つまりサッシ幅が約 105mm
この前提で計算すると:
■窓サイズ300mmの場合
- ガラス寸法は 約195mm と推測できる
(=330mm窓の実測値から逆算)
■ガラス寸法195mmは「ほぼ完全に侵入不可」
小柄で細身の成人男性でも胸厚は 200mm以上。
ガラスを割っても195mmの穴では 身体を通せない ため、侵入は理論上不可能なレベルです。
4. 実際の侵入方法を考えると「開口時のサイズ」も重要
窃盗犯はガラスを隅々まで綺麗に割って侵入することは稀で、
“一部を割ってクレセント(鍵)を回す” のが一般的です。
つまり、割って鍵を開けたあとに…
➤ 窓を開けたときの“開口サイズ” が侵入可能かどうか
が重要になります。
ところが、窓を開けた状態での開口寸法は メーカーのカタログに載っていません。
■筆者宅(330mmの横すべり出し窓)の実例
- 窓サイズ:330mm
- 開けたときの開口サイズ:130mm
130mmでは頭も肩も入らないため、侵入は完全に不可能 です。
👉 窓サイズだけでなく、“開けたときの最大開口寸法” を確認することが非常に重要です。
気になる場合は ハウスメーカー/工務店に確認する のが確実です。
5. シャッターと防犯ガラスの費用比較
| 対策 | 防犯性 | 費用 | コメント |
|---|---|---|---|
| シャッター(最も強力) | ★★★★★ | 一般サイズ:20〜30万円、大サイズ:40〜50万円 | 防犯性は最強。ただし費用が重い。 |
| 防犯ガラス(高い) | ★★★★☆ | +1万円程度(筆者例) | 掃出し窓の防犯を強化する最もコスパの良い方法。 |
筆者宅:LDKの掃出し窓(開口300mm超)は防犯ガラスを採用。
6. 部屋別:平屋で選ぶべき窓の種類・設置高さ
■ LDK(リビング・ダイニング・キッチン)
- 大開口が欲しい → 掃出し窓になる
- 引き違い窓は気密が弱い
- 大きな窓は侵入口となるので防犯ガラスを要検討
- 予算に余裕があればシャッターも検討を
筆者宅:掃出し窓は防犯ガラスで補強
■ 寝室
- 採光は最小限で問題ない部屋
- 窓下辺の高さ2m以上もしくは窓サイズ300mm以下がおすすめ
- 横すべり出し窓がおすすめ
- 窓が小さいほど気密/断熱性は良い
筆者宅:横すべり・2m以上・330mm
■ 書斎
- 静けさと集中が最重要
- FIX窓が最適(換気扇は設置推奨)
- 採光確保しつつ気密性を最大化できる
筆者宅:書斎はFIX窓
■ 子供部屋
- 採光も景色も必要(部屋が広くないので窓が小さいと圧迫感)
- 横すべり出し窓が安全
- 窓サイズ300mm超なら防犯ガラスに
- 窓が大きさと位置でエアコンが被らないか要確認
筆者宅:窓サイズ500mm →防犯ガラス採用
■ 脱衣室
- プライバシー最優先
- 湿気は換気扇で十分
- 窓ありの場合 → 横すべり出し × すりガラス × 2m以上がおすすめ
筆者宅:横すべり・すりガラス・2m以上
■ 風呂(浴室)
- 高気密住宅では窓なしが最適
- 結露・掃除・防犯のデメリットが大きい
筆者宅:窓なし
■ トイレ
- トイレには空調がないので窓がある冬寒く、夏熱くなる
- 換気扇の性能が高く、臭気は十分処理できる
筆者宅:窓なし
7. まとめ:平屋の窓は「窓サイズ300mm」または「設置高さ2m以上」を基準に考える
- 平屋は侵入リスクが高い
- 窓サイズ300mm以下ならほぼ侵入不可能
- 「開けたときの開口サイズ」も確認するとより確実。
- 地面からの高さ2m以上が理想
- 横すべり出し窓・FIX窓は高気密住宅と相性が良い
- 掃出し窓は防犯ガラス推奨
平屋の窓選びは、防犯性と気密性を意識すると失敗のない家づくりにつながります。
本記事を読んで皆さんの参考になりましたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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